生涯の師匠、工藤張雄先生(クドーシャ)のお話をします。
お墓参りに行こうとしていて、足を運んだ先は目白の空手道場。
そこに出向くことが、工藤先生への供養になると思ったから。。
工藤先生とは 1992年の春先にご縁を頂きました。ボクは工藤先生のカバン持ちとして、クドー教室(出張指導塾)に同行し始めます。同年の夏以降、工藤先生のご様態は悪化し、9月22日に他界されました。今からちょうど20年前のことです。ほんの片ときの命のリレーは、その後の自分の人生を大きく変えることになります。
「クドー教室」。。
『親と子のためのクドー式勉強会』という書籍をご執筆されて、それを「クドー教室」としてご実践されていました。各ご家庭(主に元教え子)や公民館・お寺などに出張し、そこにご近所の方々が集まって開かれていました。都内を中心に十数箇所の拠点がありました。
学年・教科を問わず、児童・生徒が自学自習をする。そこに母親が加わります。短く時間を決めてみなで勉強を行ない、時おり勉強の方法を話し合っていました。お母さんもご一緒にご自身の勉強をされます。
その「クドー教室」がゆるゆるカフェのルーツと申し上げたら、意外にお感じになられますでしょうか。。「ゆるカフェの究極の目的は「親と子の勉強会」です」とも言い始めていますけれど、じつは「親と子の勉強会」がゆるカフェの出発点です。
工藤張雄先生は学習院女子中・高校教諭を長く勤められ(それで皆さまからは「クドーシャ」という愛称で呼ばれています。)、そのご経験に基づいて「クドー教室」を始められました。また歴史ある学習院大学空手道部の創設に関わっており、現・空手道場の黒岩師範を初めOB会の皆さまとも懇意にさせて頂いている経緯があります。
人と人が集まって、お互いの学びを通してその場に流れる独特の一体感。それが当時のボクには何なのかがよく分からないまま、それでもこの勉強会スタイルとその勉強方法はビジネスの現場に活かしてみたいと志を立てました。
カタチも中身も違うものになっているかも知れませんが、たしかにボクの意識の根底には、いまもクドー教室のあのときの空気が流れています。もっと本質的なところで、ボクにとってゆるカフェは、20年前に止まったままのクドー教室の、心のなかでのリベンジでもあるのです。
ここにクドー教室の復活を宣言します。
・・・・
いまこう宣言をして、フシギなことにようやく気持ちが吹っ切れ始めてきました。クドー教室のカバン持ちとして、「クドー教室」の看板をどこか心の奥底での(勝手な思い込みで)抱え込みながら、ずっと20年間引きずってきていたかも知れません。でもそれがいい意味でいま消えかかろうとしています。
自分自身の意識の中で果たさなければいけないと想い続けてきた、または敢えて自分自身によって、「こだわり」というワク、または誇りみたいなものを抱え込みながら生きることを選択してきた20年だったようにも思います。
ミッション・責務のような思いはこれからも大切にしていきたいと思います。その何か分からないけれど、大切なものと感じてきたこと、その「こだわり」とはこれからも向き合っていきます。そして、・・・・。
そしてこれからはもっと心の深いところでも、自分自身の道として歩み始めます。
名称は新たに「ゆるゆるカフェ」。まだ始まったばかりです。これからも皆さまのお声をきちんと受け止めながら、もっと学びのある場として、もっと実りある場として、その歩みを進めたいです。ご一緒に勉強していきましょう。
2012年9月24日
ゆるゆるカフェ
主宰
渡邉 ぎいち
PS.
後日改めて、小平の工藤張雄先生のお墓参りに出向きたいと思います。
【関連サイト】ゆるゆるカフェ