この三ヶ月ほど、平日の夜に数学の指導をしていました。対象は主に中高生です。
ある生徒から聞かれました。
「数学は役に立つの?」
「役に立つよ。」
と応えました。
いまWebの仕事をしていてそのことが実感できます。
数学の基本的な考え方の組み立ては(Webに関わらず)業務の根幹をなすものです。
数学を生徒が理解するプロセスは、私にとっても啓発されるものでした。
例題を読んでもそれだけでは理解にはつながらない。
「分かりそうなこと」を繰り返し解き直してみることで定着が図れる。
生徒のノートの指導にも注意を注ぎました。
生徒によっては文字が萎縮してしまって、
ノートの隅っこにひしめいて、
行間も開けずにそれがタテに並べられています。
そんなノートを見かけると胸がつまりました。
その子が勉強の力をつけていくイメージがもてないからです。
ノートは生徒自身の思考の写し鏡です。
先ず私が徹底したことは、
「消しゴムを使わない。」
間違えたら消すための消しゴムですが、
ノートでは極力、間違えを残すよう指導しました。
後からパラパラとページをめくったときに、
自分がどういう間違いをしやすいかの分かるノート作りをしなさいと指導しました。
間違えを見つけるためのノート作りは、生徒に少しずつ受け入れられていきました。もちろん他教科の指導にあたる先生方にも理解を促しました。
間違えていいんだ。
という勉強スタイルは、それだけでその後の生徒の学習姿勢が変わってくるように感じます。
先ずは行間を開け、ゆったりと書く。
図形を中央に大きく描き、ひと目で分かるようにする。
新しい章だてはノートをめくって新しい見開きから始めさせる。
生徒のノートは少しずつ変わっていきました。文字の書き方が変わり、勉強に取り組む姿勢そのものが大きく変化していきます。
こうしたノート作りを含む数学の指導が、じつは現在の自分の本業にも密接な関わりをもっています。それはまた後述させて頂きますが、ノートのレイアウトがすっきり描けるようになっていく生徒は確実に学力を伸ばしていくように感じました。
数学は自分の仕事の原点です。20代に徹底して取り組んだ時期がありました。その後、営業、パソコン、Webと業務を変えてきましたが、これからも一貫して磨いていきたい、ライフワークとしてのスキルです。
来月からは(と言っても明日からですが)しばらく、週にひとコマだけを残して再び Webの仕事に専念します。