【玉川っ子の誇り】自分の魂をお導き頂いた一期一会

Hazy morning
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Morning Do
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morning after
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〜 朝のような気分で生きる 〜

朝が好きです。いつも未来に立ち向かうパワーをみなぎらせてくれる。今日、25年ほど前にお借りした書籍を返しにいきました。

  • 高橋靖先生との出会い
  • 朝のような気分で生きる by O.F. ボルノー
  • 記憶の奥底に封印しておりました
  • 若い人たちの魂を導ける存在になりたい


■ 高橋靖先生との出会い

O.F. ボルノー著『人間学的に見た教育学』
O.F. ボルノー著『人間学的に見た教育学』

お借りした書籍は『人間学的に見た教育学』。

著者は、O.F.ボルノー。ドイツの著名な教育者であり、哲学者。

学生時代のある時期、ボクは勉強をし過ぎてアタマが少しおかしくなっていました。

当時、玉川学園幼稚部長、高橋靖先生に出会ったのはほんの偶然で、お互いに初対面でした。しばらくお話をして、ボクをじっと見ていた高橋先生は、一冊の本を私に差し出しました。

「返すのはいつでもいいから、読みなさい。」と。

その本が、上記、書籍です。


■ 朝のような気分で生きる by O.F. ボルノー

手渡されて間もなく、こんこんとこの本を読み進めました。ボクの深いところに入っていく何かを感じながら。そして何度もなんども同じ箇所を読み返しておりました。

(子供は)喜んで未来に立ち向かう感情のなかに生きている。私はこの気分を、「朝のような」という概念で表したいと思う。・・・・

いつも明るい気分で子供を迎え入れてほしい。ゆるぎない気持ちで信じてあげられる心が教育者には必要である。・・・・

教育は初めから失敗の可能性を含んでいる。・・・・

教師は子供の可能性を信じて、見守ってあげないといけない。

何度も同じ過ちを繰り返しても、忍耐強く子供の成長の時間に合わせて、見守ってあげられる自身と世界に対しての揺るぎない信頼を失ってはならない。・・・・

もちろん、教育者に限った話ではないかも知れません。人間として、かく在りたい。


■ 記憶の奥底に封印しておりました

それにしても、・・・・25年もの歳月。。到底推し量られる年数ではありません。

高橋靖先生が数年前にすでに他界されたことは、一週間ほど前に玉川学園幼稚部にお電話でお問い合わせをさせて頂いたときに知りました。

じつはこの時期の自分を、ボクはずっと記憶の奥底に閉じ込めたままでおりました。正面から向き合おうとしない、向き合うすべを知らない私の心の働きは、「借りた書籍を返す」という当たり前の行動をもまた、そのまま忘却のかなたに封印しておりました。

そして近年、少しずつさまざまなことに対して気持ちの整理がついてきました。依然と変わらず、生きることで懸命の日々ですが、一方で、自分を世の中の一部と考えるようになりました。

自身を心から信じて人のために尽くそうと、日々の仕事・生活を営んでおります。年の功なのかも知れません。^^

ボルノーさんが言われるように、

世界や人生へのゆるぎない信頼に、彼は究極の根底において支えられているのを感じている。・・・・

とも言えるようになりたい。


■ 若い人たちの魂を導ける存在になりたい

今年に入って、多くの旧友・旧知・恩師に再会する機会に恵まれました。これまで身内にも話したことのなかった、ボクの心の閉ざした部分に素直に向き合うきっかけを下さいました。

「そのこと」を忘却の彼方から呼び覚まし、ぽつりポツリと言葉が口から出てきました。何年も経ってしまいましたが、書籍を返しに伺わないといけない。ご挨拶に伺って自分の気持ちにけじめをつけないといけないという気持ちに至りました。彼ら彼女たちの変わらぬ存在に感謝します。

そして、あてどもなく彷徨っていたボクの魂を導いてくれた高橋靖先生は忘れ得ぬ人として、いつまでもボクの魂の中に生き続けます。自分もまた若い人たちの魂を導いていける存在になりたいと、その使命感を抱きつつ。

高橋靖先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

PS.
ボルノー教授の『人間学的に見た教育学』はすでに絶版となっておりますが、それでもご興味をお感じ頂ける方は、改訂版としての「単行本」(中古)のご検討をお勧めします。(Amazon にリンク)

PS2.
文頭のお写真は、Creative Commons のルールに基づき、利用させて頂いております。感謝します。

「【玉川っ子の誇り】自分の魂をお導き頂いた一期一会」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。

    私もボルノウさんの「朝のような気分」は好きな言葉です。
    仕事のとき、この言葉と大村はま先生の「子どものコップは小さいから」という言葉を忘れないようにしています。

    私はボルノウさんの『認識の哲学』の考察で修士論文を書きました。
    今は兼業主婦なので本棚に仕舞いっぱなしですが、久しぶりに引っ張り出してみようと思いました。

  2. とこさん、はじめまして。

    ボルノウさんの研究をなされた方なんですね。
    コメントを頂きありがとうございます。

    いつも朝日が射すごとに気分はリセットされて、
    快適な一日をスタートさせています。

    お手元の書籍に手を伸ばされるきっかけにして頂いたことをうれしく思います。

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